人が集まる「場」の設計
べるです。
の1日目の記事です。
最近自分の周りのコミュニティが収束してきました。面倒な人間関係がなくなってきたのはいい反面、自分自身あんまそういうのを面倒がらずにやれるタイプだと思っていたので、環境が変わると人は変わるんだなあというのを痛感しています。今は連絡が面倒側の人間に変わりつつあります。
さて、とりあえずコミュニティについて考えてみたいと思います。今まで属してきた/属しているコミュニティと呼べるものについて、その特徴とか傾向をつらつらと書いてみようと思います。そしてもしできれば、快適なコミュニティのあり方について論じてみたいと思います。まあ、書きながら考えます。
クラス
小学生から高校生、ひょっとすると大学の最初くらいまで、私たちは「クラス」という集まりに強制的に入れられます。n年m組。
期限は1年間で、これといった目的はありません。よほどのことがない限り解散や合併、吸収なども起こらないでしょう。
ただ、一時的に文化祭とか体育祭など、特定のイベントに向けて団結力が高まることがあります。温度感が上がる、というか。まあ、一過性のものなのでやり過ごせば良いんですが。もちろん、ガチになってもいいと思います。
この目的、期限、温度感あたりが、コミュニティの快適度を決める上でのファクターになるんじゃないかな、というのが仮説です。
習い事(1:多)
自分は水泳を習ってました。あとは塾とかでもいいと思います。
なんらかの目的のもとに、能力別に分けられたグループの中で先生やコーチの指導を受けます。なんとなく以降は水泳の方をイメージして書きます。
期限はやめない限りって感じですね。小学校とか中学校とか、他のものの区切りで辞める人もいる気がしますし、なんとなくだらだら続けていた人もいると思います。僕です。
目的は次のグループに上がること、もしくは水泳をすること自体になります。手段の目的化はよくないと一般的には言われますが、別に好きでやってる分にはいいんじゃないかな、むしろ楽しいから最強の原動力なんじゃないかな、と思ってます。多分「良くない」と言われる文脈は仕事だったり、それこそ特定の目的を持って集まってる人同士の中で言われることだからな気がしますね。
下の方のグループの人は、やらされてる感、親に通わされてる感が多かった気がします。別に最初のきっかけは「人から言われたから」で、今となっては全然いいんじゃないかと思いますけどね。なんか水泳以外の「注意」みたいな指導が多かった気がします。その中で楽しみを見つけられたり、単純にやって楽しいと思えた人だけが、続けることができたのかなと思います。
上の方のグループの人は、温度感が高いです。部活が水泳部だったり、週2,3習いにきてたり、体格は明らかに小さいのにめっちゃ腕が回ったり。あと、この辺りになると基準が「泳ぎができるか」ではなくタイム制になります。全ての頑張りが一個メ(いちこめ:個人メドレー)タイムに集約されていく感じです。僕は週一で昔からずっと習っていたので、この辺になると周りの方が温度感が高いなーと思いながらやってました。でも、そういう人たちに囲まれてた方が結局楽しくていい気がします。あんまり距離が近すぎると嫌いになりかねないので、自分にとって適度な距離感を保つのは大事だと思いますね。
この辺りで気づいたのは、上だけではなく横とのコミュニケーションが発生する場が自分にとってのコミュニティのようです。まあそうだよね。
部活
学校に属している間、強制ではないですが大体の人が所属しているのが部活になります。期間は引退を除くと学校に所属している期間-半年くらいですかね。(3年間なら2.5年くらい?)
先述のクラスより長めなので、その人の性質を表す一部やレッテルとして認識されることもしばしばです。(同じクラスの〇〇部の人、みたいな)
運動部と文化部によって様相はまた変わりそうですが。
目的はその部活で集まって何かをすること。目的に対する温度感(あとはそもそも出席するかどうか)は本当にまちまちです。一般に、人が多くなるほどその温度感の分布は広がる傾向にある気がします。
また、この集まりではリーダーかメンバーか、みたいな立場の差が出てきます。主に特定のイベントに向けての小規模な編成だったり、部自体を運営するのにも必要ですね。横並びに見えて、年が少ししか変わらないのに下の人を率いていく必要があるわけです。
僕は多分今まで属してきた全てのコミュニティで率いていく側の立場に立ったことがあるので、この辺については考えることが多いです。もちろん、メンバーになってこの立場を避け続けるというのも一つの生存戦略ではありますが。こういうのを経験していることが大事なのかなと思います、俯瞰的にコミュニティを解釈する上では特に。
あと、人に優しくなれます。個人の偏見ですが、人に厳しいだけだったり行動までいかず愚痴で終わってしまう人は「温度感がまちまちの人を率いて何か一つの目的に向かって進む」という経験をしたことがないor少ないような気がします。概してそういう人は自分でやるか、逃げる(あきらめる)かしかないので能力としては平均よりある程度高いことが多いですが。
あとは学年同士の対立とか、引き継ぎがうまくいかないとか、いろいろいろいろあります。面倒を経験すると人は経験値が貯まります。
サークル
大学のサークルをイメージしてます。
何かをすることを目的にしている点では部活に近いですが、部活より強制力がなく、自由度も高いです。期限は大学に属している間が主ですが、OBOGなどとしてたまに遊びに行く場合もあるかなと思います。
温度感は当然まちまち、と思いきや、部活よりは一致していることが多いような印象です。正確には、一致した人たちを見つけやすいです。おそらくですが、部活は「なんかしら入らないといけない」感がサークルに比べ強いのかなと思います。完全な自由意志で集まってる人が多いからこそ、いい意味で選別された人しか残っていかないのかな、と思います。
まああと、目的の一つとして集まることそれ自体であることも多いです。とりあえず集まって飲んだり、サークルの名目は話題やきっかけ作りでしかないこともあります。でも、それでいいんです。そういう目的として使うこともできます。
こういうのを運営するのは一癖いるんですが、まあ最低限のルールを敷いてあとは事例ベースで判例法的に増やしていく、定期的に見直す、みたいな感じでしょうか。この辺の温度感を運営で合わせる、合わせ続けるのが大変です。急に来なくなったりするので。
〇〇係(合宿係とか、文化祭係とか)に権限を委譲して(デリゲーションポーカーw)、なんとか統治していくことでなんとかしていく気がします。たまに「なんで回ってるかわからないけど回ってる」みたいな奇跡の代が誕生します。
研究室
ある人にとっては天国、ある人にとっては地獄。それが研究室ですw
本当の地獄ってのはみんなが苦しんでるところではありません。自分だけがきつくて、他の人は「あの教授神だよね〜w」とか余裕そうな時に人の心はマジで折れそうになります。気をつけましょう。
さて、目的は研究をすること、ですがメンバーレイヤーだと多分「卒業すること」が目的になってしまうことが多いのかなと思います。僕は「生き抜くこと」でした。
期限は概ね大学3,4年から、院進すれば3年といったところでしょうか。今までのコミュニティで言うと部活とかサークルに近い長さですね。ただ、拘束時間というか、主目的にかける身体的、精神的リソースとしては多めになるかなと思います。学生の本分なので。
敵は概して研究室の外にできがちです。予算とか法律とか競合の研究とかとか。そのため、ドラえもんと一緒で共通の敵ができると人々は一時的に結束します。そして、その課題をなんらかの形で解決したり倒したりすることで、また元の関係性に戻っていきます。この中で言う臨戦状態に近いのかなという印象です。
温度感も揃ってないことが多いですが、ちゃんとゼミに出席してる人の中では割と近いのかなと言う印象です。
バイト
目的はお金を得るため。期限は、まあ長くて4~6年くらいではないでしょうか。短いと1ヶ月とか2週間とか。
基本的には、時間と能力を切り売りすることでそれに応じた対価が支払われます。おそらく会社に所属する前では初めての「自分の力でお金を稼ぐ」経験なので、ハマってしまう人も多いんだと思います。実際、やったら全然楽しいですしね。
バイト仲間でのちも続く友達とかコミュニティができることは正直運ですが、全然可能性としてはあります。温度感や年も近い人が多いところを選ぶと続くんじゃないかなと思います。
友達同士
危うく書き忘れそうになりましたw
目的は集まって遊んだりすることです。特定のことをしようとするのではなく、集まってしゃべったりしてだらだらするのが目的という感じですね。もちろん、きっかけとしては共通の趣味だったり、もしくは単なる同じ学校の同じクラスだったり、そんなもんな気がします。
ここでも「手段の目的化は楽しい」が起こってる気がしますね
期限はそんなにない気がします。学校という共通の話題が卒業によってなくなるとともに自然消滅したり、かと思えば不定期で集まったり、そんな感じです。利害関係がないのもいいなと思いますね。
温度感も別に大きく異なる人ってそんなにそもそも続かないですからね、自然と似た人が増えていきます。
バンド
目的は音楽を演奏すること、ライブに出ること、みたいなところでしょうか。期限は決められていないことも多いですが2年も続いたら立派なんだと思います。1年とか半年で一回ライブできただけでも、十分目的は果たされているんじゃないかなと思います。
演奏技術を抜きにして、温度感は割と高めな人が多いです。少なくとも「集まる」ことについては(世の中の人間はみんな「飲み」たいっぽいので)
ただ、共通してるのは諦めが悪いのと自分のこだわりを持ってることですかね、そもそも楽器の上達に欠かせないのがその二つの要素だからなんだと思います。
会社
建前的には、目的は給料を得ることです。ただ、役に立つ仕事がしたい、とか、インパクトを与えたい、みたいないろんな目的で会社に属している人が多いと思います。というか、それでいいと思います。
本当は最初に学校をクラスとか部活に分割した時点でここはユニットとか部署とか(会社の)部活動とかになるべきなのですが、まあ粒度の違いを気にして書くのは一旦おいておきましょう。めんどいし。
期限はやめるまで。数日でやめる人もいれば数十年居続ける人もいる、そんな「場」です。当然、温度感はまちまちですが、各ユニットとかプロダクトにかかわる部分だけは認識を合わせて進めていきたいですね(当方エンジニア3年目)
人が集まる「場」の設計
総じて、以下のような3要素に気を付けるとよさそうです。
- 目的
- そのコミュニティは何を達成したいのか、何をするために属するのか
- 例:ライブを成功させる、給料を得る、ただ集まって話す
- 期限
- そのコミュニティはいつからいつまで所属するのか
- 例:1年、1か月、やめるまでずっと
- 温度感
- そのコミュニティの主要な目的やアクティビティの遂行に対するやる気や熱意、積極性
- 例:誰よりも俺が一番!~留年しなければいいな......
その他、以下のような特徴がありそうです。
- 手段の目的化は、一般的には仕事などの文脈でよくないこととされているが、それ自体を「楽しむ」上では最強の状態であるともいえる
- むしろ構造的には、「楽しいからこそ陥る」ともとれそうですが
- 人の温度感は自分と異なることが多いので、その意味では適切な距離を保たないと破滅したりシンプルにやめることになる
- 自分自体もその日の気分や体調によって温度感変わったりしますよね
- もちろん仲良くなりたい人とは仲良くなっていいと思いますが
- 共通の敵や期限付きのイベントができると普段そんなに仲良くなくても一時的に結束力が高まる
- 「お祭り騒ぎ」というやつ、僕は好きです
みなさんもぜひ時間とって振り返って考えてみてくださいね、あと抜けてるコミュニティとかあったら教えてください(委員会とか?)